このように、静岡市ではお茶だけではなく、大量生産ではないものの、高品質な本市ならではの農産物が豊富で、全国的にも早出しとして名声を高めている長田の桃をはじめ、折戸ナス、
麻機レンコンなど、首都圏を中心に全国にも出荷して、高い評価を得ています。
しかし、本市の農業においても御多分に漏れず、
農業従事者の高齢化、担い手不足をはじめとした問題を抱えています。
スマート農業なども取り組まれていますが、まだまだごく一部であり、農業所得の向上と担い手の確保が課題となります。農業所得の向上と担い手の確保は、それぞればらばらに実現するものではありませんが、農業所得の向上を実現することが担い手の確保につながり、持続可能な農業へと連動していくと、私は考えます。
長田の農家の方々に伺っても、高品質化に向け頑張って取り組むことが精一杯で、販売戦略までの余裕はなく、
農業経営者を育てるべきだと言われても、そこまで取り組むことが厳しいのが現状です。
それでは、農業所得の向上のために必要なことは何でしょうか。私は、静岡市
農業振興計画の重点施策の
推進展開イメージにおける静岡市のブランドの確立と
オール静岡による
プロモーションの2本柱が重要であると考えます。
現在、静岡市においても、市内2農協によるじまん市や直売所、朝市などの地場の農産物や加工品を手にする場所の提供や
プロモーションがされていますが、これらをさらに推進すべく、行政による行政にしかできない
プロモーション戦略を実施することが、相乗的な効果を発揮し、
オール静岡による
プロモーションが実現することで、静岡市ブランドの確立につながると考えます。
そこでお伺いします。
お茶をはじめ、各種様々な
プロモーションが実施されていることは承知していますが、こと農業においては旬の農産物が持つ特徴を生かすために、それぞれのシーズンやスポットで行政がJAなどと連携して積極的な発信を行っていくことが、静岡市ブランドの確立、販路拡大、そして何よりも
農業従事者への励みや応援になると考えますが、
本市農産物が持つ特徴を生かし、市として
プロモーションをどのように取り組んでいくのか、教えていただきたいと思います。
続いて、静岡市が運営する
農産物情報ポータルサイト「
ZRATTO!しずおか」について質問をさせていただきます。
農業に従事した経験のない私が、農業について質問させていただいていますが、まだまだ日々学ばせていただいている現状です。そんな私が旬な情報を取得するのに愛用させていただいているのが本サイトであり、こちらで多くのことを学ばせていただいて、いつも更新を楽しみにしている
お気に入りサイトであります。先ほどの行政の
プロモーションと同時並行的に必要な取組は、情報を収集しようとする人への受皿となる、この
ポータルサイトのさらなる充実化と利活用であると考えます。
そこでお伺いします。
先ほどの
行政プロモーションと連動すべき
農産物情報ポータルサイト「
ZRATTO!しずおか」について、利用状況の現状と課題、さらなる利活用について、どのように進めていくのか、お伺いいたします。
続いて、大項目2の静岡市の
公共交通サービスについてお伺いします。
昨日の宮城議員の質問にもありましたが、市街地、周辺部を問わず、地域の暮らしと産業を支え、豊かで暮らしやすく、個性、活力のある地域の振興を図る上で、移動は欠かせない存在であり、手段でもあります。特に、鉄道や路線バスを中心とした公共交通は、通勤・通学、買物や通院など、私たちにとって欠かせない日常の足としての重要な役割を担っています。
しかし、
自家用車保有率の増加や人口減少・少子高齢化の進展による通勤・
通学利用者である
生産年齢人口の減少は、公共交通に大きな影響を与えています。民間の
交通事業者が収益を確保できる形で公共交通を担うという構造が難しい状況に追い打ちをかけるように、
新型コロナウイルスの感染拡大が公共交通にさらなる影響を及ぼしています。その一方で、高齢者による事故は増加傾向にあることや
道路交通法の改正等もあって、75歳以上の
免許返納件数も増加傾向にあり、今後も多くの返納者が見込まれます。公共交通の維持が困難になっている反面、
免許返納者をはじめとした免許を持たない学生などの交通弱者の方々からの
地域公共交通へのニーズは高まっているのです。
令和2年に
地域公共交通の活性化及び再生に関する法律が改正されました。この法律で定められた地域交通のマスタープランとなる
地域公共交通計画策定のためにも、静岡市が積極的に推進する誰ひとり取り残さないSDGsの観点からも、地域の
移動ニーズを踏まえ、地域が自ら新しい公共交通をデザインしていく。新しい時代における公共交通の在り方を検討していくことが求められております。
そこでお伺いします。
地域が目指すべき将来像とともに、その中で、地域の公共交通が果たすべき役割を明確化した上で、公共交通の活性化に向けた取組の方向性を定めることが重要となりますが、本市における公共交通の課題とその対応方法はどのようなものかについてお伺いして、1回目の質問とさせていただきます。
5 ◯市長(田辺信宏君) 私からは、大項目、静岡市の農業振興についてのうち、農産物の
プロモーションについて、本市の農産物が持つ特徴を生かし、市として
プロモーションをどのように取り組んでいくのかとの御質問にお答えいたします。
議員御指摘のとおり、本市には温暖な気候や豊かな自然を背景として、代表的な農産物であるお茶やミカンをはじめ、全国的に珍しい栽培方法で知られている
石垣イチゴ、静岡市が栽培発祥の地とされ、その栽培方法が
世界農業遺産にも登録されている
静岡水ワサビ、徳川家康公がこよなく愛したと言われる折戸ナス、そして、全国でも早出しの桃として知られる長田の桃など、地域の名前を冠した個性的で特徴のある農産物が数多く生産されております。
これらの農産物の
プロモーションに向けては、その農産物が持つ特徴を伝えるとともに、その希少性や歴史的な背景を知ってもらうことによって、本市の食を代表する農産物に興味を持ってもらえるよう、様々な
PRイベントや
ホームページ等を通じて、情報発信に取り組んでいく必要があろうかと考えます。
私ども静岡市では、情報発信の拠点として、ただいま社会実験を行っているJR静岡駅北口地下しずチカを活用して、
静岡茶商工業協同組合が運営する喫茶一茶と連携して、静岡市の食材を利用したお弁当やお菓子等と組合せ、お茶の楽しみ方を提案することで、お茶の魅力を再発見していただき、多くのファンが生まれるような
プロモーションを展開しております。
この一茶では、今まさにオクシズとかしずまえでとれた食材を使った商品を提供するイベントを順次開催しており、お茶と共に静岡が誇る農水産物のPRを行っているところであります。
一方、首都圏では、局間連携による新しい取組でありますが、東京都内の
ビジネス創出の拠点である
WeWorkにおいて折戸ナスや
石垣イチゴ、そして長田の桃などの
プロモーションを実施してまいりました。例えば、昨年度に実施した
石垣イチゴのイベントでは、栽培の歴史とか特性などを説明しながら、まさに
WeWorkのオフィスの中で、ジオラマで石垣を再現した
イチゴ狩りの疑似体験をしてもらって、そして、参加者から実際に
イチゴ狩りに行ってみたいというような感想が寄せられるなど、大変好評を博しました。
また、今年度には、長田の桃を取り上げたイベントを計3回実施しました。市内の桃生産者から都内の
イベント参加者へ、自ら長田の桃の魅力をPRしたところ、ああ、こんな早い時期に今年は桃が食べられるとは思わなかった。ぜひ継続的に長田の桃を覚えておき、購入していきたいなど、同様に好評であったことから、これから静岡に訪れて桃を購入していただくとか、生産を拡大して、
プロモーションをしていくということにつながっていくのではないかと期待しております。
本市の農業政策は、生産から販売、
プロモーションまで、言わば入口から出口まで戦略性を持って、その下支えをしていかなければなりません。
一例として、高品質な農産物を消費者が安心して購入できるだけでなく、その農産物に興味を持っていただき、ファンになっていただくような取組を今後展開していきたいと。JAさんとの連携が不可欠であろうと思います。JAさんは、生産のところの下支えは、営農指導等で大変実績があります。ただ、販売PR力というと、これは私ども市行政の
情報発信力と連携をしての相乗効果、これが私どもが力添えができる部分だろうと思います。
そこで、一例として、JA静岡市が推進している外茶。仕事やレジャーでマイ水筒やマイボトルにお茶を持って出かける外茶を、JAが新しい習慣として、今提案しておりますので、これを先ほどのしずチカ拠点等々、私どもはいろいろな情報発信の場において、お茶のファンを増やすために大変有効な取組として、今後、
プロモーションのお手伝いをしてまいりたいと考えております。
引き続きまして、JAをはじめとする関係機関と連携しながら、もちろん、議員地元の長田の桃など、静岡市ブランドの農産物が持つ様々な魅力を前面に打ち出して、
静岡市内外の消費者に対して伝えていくよう、積極的に
プロモーションをしてまいりますので、今後とも御協力、御指導をよろしくお願いをいたします。
以下は、局長及び統括監から答弁させます。
6
◯農林水産統括監(川崎 豊君)
農産物情報ポータルサイト「
ZRATTO!しずおか」のさらなる利活用についてですが、「
ZRATTO!しずおか」は
本市農産物の旬の時期や魅力を発信し、消費拡大を図ることを目的とする情報発信の
ポータルサイトとして、平成27年3月から運用しております。消費者が
本市農産物の旬を楽しむことができる情報をタイムリーに発信しているほか、直売所の情報や農業者等が公開している
ホームページのリンクを掲載するなど、幅広く情報発信をしております。
当サイトのアクセス数は毎年少しずつ増えているものの、さらに利活用を進める上では、サイトを訪問した人が楽しめる要素を増やすことと、サイト自体の認知度をさらに高めることが必要であると認識しております。
今後は、検索にヒットしやすいキーワードや「
ZRATTO!しずおか」のリンク先の追加、イベントでのチラシやポスターによる周知等を進めるとともに、JAや生産農家等と連携した出荷情報やイベントの告知等、情報の幅を広げ、消費者のニーズに沿った魅力ある
サイトづくりに努めてまいります。
7
◯都市局長(八木清文君) 静岡市の公共交通の課題とその対応方針についてですが、交通分野を取り巻く状況は、
自動運転技術の進歩や新たなモビリティーの出現、
配車サービスや
シェアリングの普及など、これまでの交通手段を超えたサービスの多様化が進み、
交通サービスの在り方自体が転換期を迎えております。
また、超高齢社会の進展や
新型コロナウイルス感染拡大により、
公共交通利用者の減少が進み、その回復及び交通事業の継続が全国的な課題となっています。
本市におきましても、利用者の回復は喫緊の課題であり、
静岡型MaaS基幹事業実証プロジェクトの社会実験などによる検証から、その主な要因が市民の
移動ニーズと既存交通のミスマッチにあると認識しております。
そこで、このミスマッチを解消するため、既存交通の隙間を埋める
交通サービスをさらに増やしていくことが必要と考えており、
乗合タクシーなど新たな
移動サービスの創出やパルクルなど
シェアリング事業の普及といった取組を進めております。
こうした取組を通じて、多様化する個人の生活様式に見合った移動手段が選択できるよう、駅やバス停から自宅、目的地を結ぶファーストラストワンマイルの交通を充実させ、シームレスなネットワークの構築とその最適化が重要であると考えております。
〔白濱史教君登壇〕
8
◯白濱史教君 御答弁ありがとうございます。
市長からも力強く、魂の籠もったお話をいただけて、うれしく思います。ありがとうございました。
引き続き、2回目の質問に入らせていただきます。
農業におけるSDGsへの取組についてお伺いします。
農業の発展は、静岡市が推進しているSDGsの目標を達成するための重要な役割を担っています。国では、持続可能な
食料システムの構築、地球環境問題とSDGsへの対応といった背景から、2050年までに段階的な目標を設定した、みどりの
食料システム戦略を昨年策定されました。
そこでお伺いします。
日本の農業における脱炭素に向けた
環境負荷低減の取組を進める本戦略について、静岡市の
農業振興施策においても、その方向性を踏まえることが必要不可欠だと考えますが、現在策定中の次期、
農業振興計画において、どのように取り組んでいかれるのか、お伺いします。
続いて、地産地消によるSDGsの推進についてお伺いします。
地産地消は、地域の生産者と消費者を結びつけ、食料自給率の向上を図る上で重要であるとともに、直売や農業の6次産業化により、地域農業の活性化へとつながります。また、地産地消は
SDGs推進へも大きな役割を担っております。県外の出荷は輸送コストがかかるなど、持続可能な農業、
SDGs推進への課題となっていますが、この輸送距離が短くなることで、
フードマイレージ削減となり、消費者にとっては新鮮で安全・安心な食材を確保できるというメリットがあります。生産者にとってもニーズを捉えやすくなるなど、双方にメリットがあり、地産地消によるSDGsの推進は、本市にとって欠かせない施策であると考えます。
そこでお伺いします。
地産地消は、このようなSDGsをはじめ、農産物の付加価値を向上させ、消費者にも生産者にもよい影響を与えることで、持続可能な農業発展に寄与することから、本市は農産物の地産地消により、SDGsにどのように取り組んでいくのかをお聞かせください。
続いて、先ほど御答弁いただきました公共交通の拡充施策についてお伺いします。
これまで、点と点をつなぐ線的な公共交通の在り方は、今後は基幹的役割を担う鉄道や路線バスと、それらを補完する様々な交通手段を充実化していくことで、線的交通から面的交通へとシフトしていくことが求められています。現在、私の住む長田地区は人口6万2,000人余り、平成30年に周辺整備の完成がされたJR安倍川駅は、一日の乗降客数は約1万人近く、静岡市の地域拠点としての役割を担ってくれています。
また、匠宿や
広野海岸公園、
用宗漁港周辺など、多くの方々が足を運ばれにぎわう、注目されているエリアになります。そのような長田地区ではありますが、やはりほかの地域と同様に、
既存公共交通だけでは不安があり、超
高齢化社会における交通手段の確保が大きな課題となっております。
そこで、数年前から有志によって
既存公共交通を補完する交通手段、特に、
コミュニティバス導入について検討が重ねられてきました。地域の
交通空白地域、不便地域を解消し、交通弱者の
社会参加機会確保、
生活利便性向上、そして、近年の脱
炭素社会実現に向けた
コミュニティバス導入への最大の課題、それは運行主体となる事業者の確保となります。
全国的に定着している
コミュニティバスですが、これらは行政主導の公的資金によって運行しているのが一般的です。しかし、今回の長田地区の
コミュニティバスは、有志の方々の地域の未来を案じる熱い思いによって強力に推進され、この運動に共感してくれた
地元事業者が自費によるバス運行を名乗り出てくれたのです。そして、地域と事業者などが連携した運営準備会が定期的に開催され、ついに来年からの試験運行に向けた準備段階にまで来ました。
そこでお伺いします。
この
コミュニティバスは、JR安倍川駅と用宗駅を中心に、地域内の医療施設、商業施設、
公共施設等を結び、地域住民の足として
既存公共交通の補完を担う極めて重要な役割を担っています。この全国的にも類を見ない、行政主導ではなく
地域発民間主導の本
コミュニティバスは、静岡市における新しい
公共交通サービスに向けて、大きな一歩になると考えますが、この
長田地区コミュニティバスに対する市の考え方はどのようか、お聞かせください。
以上で、2回目の質問とさせていただきます。
9
◯農林水産統括監(川崎 豊君) 農業振興に関する2点の御質問にお答えします。
まず、農業振興における国の戦略を踏まえた今後の取組についてですが、地球温暖化や大
規模自然災害の発生、
新型コロナウイルスを契機とした生産、消費の変化などを受け、国は令和3年5月、みどりの
食料システム戦略を策定しました。これは、有機農業の拡大や化学農薬、化学肥料の使用量低減など、脱炭素社会を見据えた農業の推進を目的とし、その実現に向けて、調達から生産、加工、流通、消費における関係者の意欲的な取組を引き出すとともに、革新的な技術の開発と社会実験に取り組んでいくこととしております。このため、令和5年3月までに策定する次期、静岡市
農業振興計画の中で、生産者の
環境負荷低減に対する意識の向上を図るための施策や、農業における
環境負荷低減の取組について、消費者に理解を促す施策など、生産から消費まで幅広い分野で取組を盛り込んでいきたいと思っております。
これら施策の実施により、国の戦略目標である「食料・農林水産業の生産力向上と持続性の両立をイノベーションで実現」が達成できるよう努めてまいります。
次に、農産物の地産地消によるSDGsへの取組についてですが、消費者である市民と生産者の交流を目的に、JAや
農業者団体が開催する
直売イベントの開催費への助成や、JAが運営するじまん市やふれっぴーの紹介のほか、令和3年度には市内飲食店と連携し、市民が本市特産のワサビを様々な料理として食べる機会を提供するイベントの開催など、地産地消を推進しております。
また、6次産業化や販路の拡大など、農業所得や付加価値の向上につながる新しい事業にチャレンジする農業者に対し、
ふるさと農力チャレンジ事業による支援も行ってきました。これらの取組は、議員御指摘のとおり、地産地消による農産物の輸送に係る燃料使用量の削減や、規格外となった農産物を加工し付加価値をつける6次産業化などにより、生産者の所得安定につながるもので、SDGsにつながることから、さらに進めることが必要と考えております。
今後につきましては、地産地消や6次産業化がSDGsにつながることをJAや関係団体と再認識し、連携して進めていくことで、SDGsを推進していきたいと考えております。
10
◯都市局長(八木清文君)
仮称長田地区コミュニティバスに対する市の考え方についてですが、先ほど議員からお話のあったとおり、駿河区の長田地区では、地域主体の
コミュニティバスの試験運行が地元有志を中心に進められているところです。この
コミュニティバスは、安倍川駅や用宗駅を経由する循環型バスで、通院や買物など、長田地区の移動の利便性向上に資する取組であるとともに、静岡市
地域公共交通網形成計画の施策にも合致すると考えております。こうしたかゆいところに手が届く地域主体のきめ細やかな
交通サービスの提供は、高齢化が進み、交通弱者が増えていくことが想定される中で、地域の課題解決に有効な取組になると期待しております。
本市としては、今回の試験運行に合わせ、
静岡型MaaS基幹事業実証プロジェクトにおいて、乗降データの収集などを実施、検討材料となる基礎情報を集め、地域と連携して
移動ニーズの把握や運行課題の洗い出し、実装に向けた分析を進めていきたいと考えております。
また、実装に向けた検討の際は、地域の声に耳を傾け、
既存公共交通との連携調整を図りながら、長田地区の
交通サービスの最適化を目指して取り組んでまいります。
〔白濱史教君登壇〕
11
◯白濱史教君 御答弁いただきありがとうございました。
3回目は、意見・要望を述べさせていただきます。
まず、農業振興についてですが、農家の皆様や農業が抱えている課題を解決し、持続可能なものにしていくためには、農業所得の向上が重要であると私は考えます。市長からも力強い御答弁がありましたように、静岡市の高品質な農産物を購入できる場と機会の提供など、農家やJAを中心に、行政も連携した販売戦略が取り組まれています。これらをさらに後押しする行政の行政にしかできない市長によるトップセールスをはじめ、伝わる、売れる
プロモーションを積極的に取り組むことを要望します。そして、それらの受皿となり、情報の拠点となる
農産物情報ポータルサイト「
ZRATTO!しずおか」のより充実化も同時並行で必要不可欠な取組となります。
現代の購買行動モデルの多くにおいて、消費者が取る行動の1つに情報収集があります。この情報収集段階に、消費者が求める情報を的確に提供し、さらには受け身ではなく、SNS等を活用した積極的な攻めの情報発信、双方向性の
ポータルサイトとしての利活用が農産物振興において要となると思いますので、精力的に取り組んでいただきたいと思います。
続いて、農業のSDGsについてですが、みどりの
食料システム戦略に基づく化学農薬や化学肥料の削減目標の実現のためには、減化学農薬の推進が求められますが、生産者の大きな負担にもなってきます。行政としても、本目標を達成していくために一丸となって、消費者への環境負荷を低減した農業への理解促進、普及啓発と生産者への支援策拡充の御検討をお願いいたします。
先ほどの市長答弁にもありましたように、JA静岡市においては、SDGsにも地産地消にもつながる地元で生産されたお茶の消費拡大に向けての静岡外茶計画が推進されています。また、私の知り合いの桃農家の方は、摘果した桃や規格外、未利用の桃を活用した地域の学生によるレシピコンテストを計画されています。これには農業への興味、関心を高めようという目的もあり、次世代就農者育成の取組でもあります。
このように、それぞれの農家やJAの皆様が今、知恵と経験をフル活用した地産地消や6次産業化に取り組まれていますので、これら取組への幅広い御支援もお願いいたします。
農は国の基なりと言われるように、農業は国をはじめ、地域の政治経済の基本であります。そして、農業を知る、触れる、食べることは郷土愛の育成、シビックプライド醸成にもつながる、行政にとっての根底をなす大事な施策だと考えます。行政による力強い後押しは、生産者の皆様の大きな励みにもなり、地産地消にもつながるため、結果として農業所得が向上し、魅力ある農業となることが就農者不足解消へもつながるはずであります。長期的には、食料自給率向上にもつながり、食料安全保障の観点からも、必要不可欠な施策だと考えますので、JAとの連携をさらに強化して、農業振興への取組を強力に推進していただけることを期待しております。
最後に、新しい
公共交通サービスについて、9月18日の静岡新聞朝刊の社説で、公共交通の再構築について書かれていましたが、まさに地域交通の将来像を形づくる共創の実践、鉄道やタクシー、住民の相互支援を含めた連携の検討が必要となっています。デジタル技術などを活用し、公共交通を使い外出したいと感じる需要喚起型の制度設計を目指して、交通拠点から自宅、目的地までのファーストラストワンマイルを支援する考え方を組み入れた静岡市の公共交通の将来像を描くことをお願いいたします。
長田地区で始まるこの
コミュニティバスは、まさに先進事例になるものだと考えます。地域住民の思いが民間活力によって実現していく本取組は、全国的にも例がない画期的な事業です。地域の皆様の並々ならぬ地域愛と努力の成果によるすばらしい本取組は、面的な公共交通ネットワークを実現する新しい時代の
交通サービスであります。行政としても、基幹となる
既存公共交通をしっかりと維持していくとともに、本
コミュニティバスやタクシー、パルクルなどの多用な
交通サービスと連携、共創していくことで、相乗効果を発揮させられるような、誰ひとり取り残さない交通計画を組み立てていただきたいと思います。
あわせて、長田地区の
コミュニティバスが持続可能な交通を維持できるように、地域や民間活力任せではなく、情報発信やイベントとの連携など、利用促進に向けた力強い御支援を心よりお願い申し上げ、私の質問を終えさせていただきます。御清聴いただき、ありがとうございました。
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
12 ◯議長(望月俊明君) 次に、平井正樹君。
〔平井正樹君登壇〕
13 ◯平井正樹君 自民党市議団、平井正樹です。
それでは、通告に従い質問させていただきます。
初めに、大項目1、校則と学校生活について質問いたします。
現在、校則については、全国で校則の在り方や見直しについて議論されています。昨年は、大阪府立高校の女子生徒が、髪を黒く染めるよう強く指導されたことが原因で、精神的苦痛を伴い不登校になったと訴えた裁判の判決もありました。その裁判の結果は、染色を禁じた校則や黒染め指導を適法とした一審大阪地裁判決を支持し、裁判長は、生徒側の控訴を棄却したという判例でした。この裁判は、校則の在り方をめぐり、大きな話題を呼びました。海外メディアでは、日本の学校では明るい色の髪の毛は罪になると報道されるなど、理不尽な校則を表すブラック校則をめぐる議論のきっかけにもなっています。
今では、メディアやSNSなどでも理不尽な校則に対する様々な意見が取り上げられていますが、そうした世論の声を受ける形で、文部科学省は令和3年6月に校則の見直し等に関する取組事例についてを告知。その中で、「校則は、学校が教育目的を達成するために必要かつ合理的な範囲内において定められるものです。」と記されております。
そこで、静岡市の取組はどうでしょうか。
本市では、令和3年10月に校則の策定及び見直しに関するガイドラインを策定しました。今回、本市が作成したガイドラインの一部を用意しました。
それでは初めに、資料1の(4)見直しの行程についてを御覧ください。
令和3年度につきましては、校長会にてガイドラインの説明、学校では、校長より令和4年度経営方針を説明後、児童会、生徒会でも校則の在り方や見直しについてのアンケート調査などを実施しています。令和4年度も市ガイドラインに基づいた校則施行から始まり、記載のように、令和5年度以降も毎年度見直しを行うと書かれております。
現在、校則については、各学校での判断になっていますが、このように見直しの指針が示された以上、学校、保護者や児童生徒などと周知、意見の聴取をしっかりとして、大枠のところは
教育委員会のほうでかじ取りをしていく必要があると思います。
そこでお聞きしますが、校則の見直しについては、各学校でなく市が主導して取り組んでいく必要があると思います。初めに、市の見解をお答えください。
次に、校則の見直しの中の学校生活の部分についてお聞きします。
先ほどの資料1の裏面、(2)学校生活の各場面での支援を御覧ください。
それぞれに支援の例が書かれていますが、気になる点を述べさせていただきます。
これからお話する内容は、本市の学校における現状になります。
初めに、服装についてです。
昨年9月定例会の質問でも取り上げましたが、校則について、体操着にしましても、ある学校では男子は黒のハーフパンツ、女子は紺と、性別で色を決めるのは性の多様性の観点からもそぐわない校則になります。靴下や運動靴も白に指定されている学校もありますが、どうでしょうか。最近では、各学校において見直されているところもあるようですが、取組状況はばらばらのようです。
防寒着の着用について、着用の時期については、気候の様子を見ながら生徒の皆さんで判断しましょうと校則ではなっている学校もありますが、実際には、防寒着を着られる期間を先生に決められると生徒にお聞きしました。また、女子についてはタイツをはいているときは膝かけを使用してはならないと先生から言われてしまったそうです。市ガイドラインにもありましたが、学校の判断だけでなく、児童生徒や保護者の意見を取り入れながらルールづくりを進めていく必要があります。
次の髪型についてですが、標準より長い髪型を一定の範囲で認めるとあります。横の「(戸籍上男性)」という文言は、個人的には要らないと思うんですけれども、長い髪型というと、男子でもヘアドネーションなどで伸ばしている生徒もおります。ヘアドネーションとは、小児がん、先天性の脱毛症、不慮の事故などで頭髪を失った方たちのために寄附された髪の毛でウィッグをつくり、無償で提供する活動のことです。この活動に関しましても、学校、児童生徒たちの周知、対応が必要だと思います。ヘアドネーション以外でも、必要によって長い髪の毛の生徒もいますが、髪をまとめるための三つ編み、こんにゃく結び、おだんごも禁止されていて、生徒たちは大変困っております。
まずは、区民意見の聴取について、市民の声を受け取る最前線である各区の地域総務課では、市民に寄り添った窓口対応をされており、着実に信用を積み重ねています。これは市民の行政に対する安心を培い、新たな施策の創造につながります。各区の地域総務課には、これまで同様に、そして静岡市の全ての窓口においても、市民に寄り添う姿勢を示していただきたいと要望します。
次に、Voice of しずおか市民討議会について、市民が市政に積極的関心を持つためには、自身の声が生かされていると実感することが必要だと考えます。市政に対する声を聴取しているのならば、市民の声が事業に反映されているかを周知することは、公益事業である以上、必要不可欠と考えます。ぜひとも、どの部門、どの事業においても意見反映の周知を当たり前のこととして行えるよう要望いたします。
次に、ふるさと応援寄附金等によるNPO等指定寄附事業について、ふるさと納税として寄附をお寄せいただいている方々のお気持ちは、やはり静岡市への愛着と期待が込められているはずです。それを静岡市のために活動しているNPOなどの皆様に直接お届けすることが静岡市の活性化を後押しするものと考えます。もう一度、制度の趣旨に立ち返り、必要なところに必要なサポートが届くよう、制度自体の見直しを強く要望いたします。それが「みんなの力で創る、静岡。」につながると私は考えます。
最後に、官民共創による課題解決に向けた取組について、本日のこれまでの総括質問の中にも、丹沢議員、白濱議員からも共創というキーワードが出てきました。私は、丹沢議員のように官民共創による新しいアイデアは、残念ながら浮かんでおりません。強いて言うなら、私の大好きなガンダムを観光の目玉としてもう一度呼び込み、さらには、操縦できるようにするといった夢のような話しか考え浮かびません。ですが、このような夢を共に描くことができるのは、官民共創ならではだと思います。ぜひとも、デジタル化による新たな価値を創造するデジタルトランスフォーメーションの推進に向けて、民間のノウハウやリソースを取り入れた官民共創の試みを積極的に取り組むことを要望いたします。自治体と民間団体と企業とが柔軟に手を取り合い、それぞれに今持っているものを最大限に生かし合うことで、市民の声から生まれた地域課題を解決し、新たな施策の創造につなげていく、それでこそ、既存のまちをよりよいものにつくり変えていく本当のまちづくりにつながるものと確信しています。
しかし、全てのスタートの基となるのは市民の声であることを忘れてはいけません。市民の声から生まれた地域課題を見つめること、すなわち、私たち市民一人一人の在り方、考え方を、そして、現在の行政事業、制度を見つめ直すことがよりよいまちづくりの大きな一歩であることをお伝えし、私からの意見・要望とさせていただきます。
以上で、私の総括質問を終わります。ありがとうございました。
67 ◯副議長(佐藤成子君) この際、暫時休憩いたします。
午後2時54分休憩
───────────────────
午後3時15分再開
68 ◯議長(望月俊明君) 休憩前に引き続き会議を開きます。
総括質問を続けます。
次に、市川 正君。
〔市川 正君登壇〕
69 ◯市川 正君 共産党の市川です。
私は、静岡市の水源の保全について質問を行います。
まず、中項目1番、中部電力の安倍川水力発電所をはじめとした水源域における事業への対応について伺います。
安倍川は、静岡市梅ケ島地区を起点にして約50キロを流下し、駿河湾に流入する急流な河川です。これまで、局地的には大雨による氾濫災害も幾たびか発生していますけれども、近年、渇水期には曙橋観測点で毎秒3トンから4トンほどの水量となり、これが12月から1月ぐらいにかけての水量となります。下流付近では時に瀬切れ現象も見られるということで、皆さんもこの安倍川の水量が減ったなということを実感されることが多くなっているのではないでしょうか。
安倍川は伏流水が大変豊富ということで、静岡市の水道水源として安定した水を市民に供給する良質な河川でもあります。この安倍川の上流域に、令和2年から中部電力の安倍川水力発電所の建設工事が行われています。計画によれば、梅ケ島入島地先に取水用堰堤を構築する。この堰堤では、堰堤から4.8キロメートル下流の有東木地区に発電所を造るということで、落差123メートル、出力7,400キロワットの水力発電所が建設されます。堰堤の取水量は最大毎秒7トン、そして、常時放水する水量は毎秒0.41トンという計画になっております。0.41トンといえば、家庭用のお風呂で大体2杯分ほどでしょうか。急速に進む地球温暖化がどこでも問題となっていますが、CO2を発生させない水力発電は、温暖化防止に大変効果的ではあります。ですけれども、安倍川水力発電所は規模が小さく、環境アセスメントの対象とはなっておりません。中部電力と静岡県は県自然環境保全条例に基づく協定を、そして本市は、静岡市清流条例に基づき協定を締結しております。
中部電力との間で締結した静岡市清流条例による協定によりますと、取水地点から放流地点に至る区間の水量減少など、清流の保全に支障を生じることがないよう十分配慮すること。当該施設の建設に当たっては、地元住民と連携し、協議すること。清流の汚染が生じた場合など、清流の保全について必要がある場合は、市が立入検査を実施すること。供用開始までに実施した全ての水質検査について、市に提出すること。こういったことなどが定められております。アセスメントの対象でないことから、河川法に基づき国と事業者が協議して、堰堤から発電所までの本流の維持水量を毎秒0.41トンとした、400リットル程度としたということであります。
この地域の川を渡る涼しい風がなくならないかと寂しい思いもするところです。また、堰堤下流の水量減少は、水生動物あるいは水生植物等への影響も避けられないところではないでしょうか。市は協定に基づいてどのように対応されているのか、まずは1問目に、安倍川水力発電所に係る水量減少、水生動植物等の自然環境への影響をどのように認識されているのか、伺います。
次に、安倍川水力発電所が位置する山塊は安倍川源流の安倍峠から十枚山、そして青笹山へと続く稜線をなし、安倍奥、あるいは身延山地と呼ばれております。尾根を挟んだ反対側には、一昨年ですか、中部横断自動車道が開通いたしました。この自動車道工事では、トンネルの掘削土から自然由来の重金属類が検出され、国交省は工事難航事象の1つに位置づけております。
さて、その安倍川水力発電所建設工事ですが、取水堰堤から発電所までの約4.8キロメートルの導水管トンネル工事で、およそ10万立米余の掘削残土が発生いたします。この残土は、本水力発電所建設工事請負者とJVを組む地元民間企業の所有地に盛土造成処分されています。掘削残土については、土壌汚染対策法──平成21年の4月に公布された改正法ですが、この中で土壌に含まれる特定有害物質による人への健康被害を防止することを目的に、適時適切に土壌汚染の状況を把握することを求めています。安倍川水力発電所の導水管トンネル工事で発生する掘削土には、中部横断道と同じく、自然由来の重金属類が検出されるであろうことは、尾根を挟んだ反対側ですので、容易に推察されるわけであります。私は、水源域に盛土処分される掘削残土から万が一にも市民に健康被害を与えるようなことになってはならないと考えております。本市として掘削土の成分分析をし、水道水源に重金属のしん出がないことをしっかりと確認すべきと考えます。したがって、工事における土壌の成分分析がどのようなのか、そして、盛土から浸出する雨水などの環境影響について、その安全性を市はどのように把握しているのか、認識を伺いたいと思います。安倍川水力発電所工事において発生する掘削残土の環境への影響について、市はどのように把握しているのでしょうか。そして、もう1つ、当該水力発電所建設工事による水道水の影響をどのように考えておられるのか伺って、1回目の質問といたします。
70 ◯環境局長(田嶋 太君) 安倍川水力発電所に関する2点の質問にお答えします。
まず、安倍川水力発電所に係る水量減少、自然環境への影響についてですが、事業者は国から河川法による許可を受けるため、国が示す手引に従い、動植物調査や有識者からの意見聴取も実施しつつ、魚の産卵や移動に必要な河川維持流量を確保した上で、取水量を決定しております。
現在、河川法の許可を受け、建設工事が進められているところであり、本市としてもこのようなことから、取水による自然環境への問題は生じないものと認識しております。
また、本市と事業者との間で締結した清流の保全に関する協定に基づき、事業者が工事期間中における排水の水質を毎月検査しており、測定結果から協定で定めた基準値が守られていることを確認しております。
次に、掘削残土の環境への影響を市はどのように把握しているのかについてですが、当該事業においては、一定規模の土地の形質を変更するため、土壌汚染対策法に基づく届出が必要となります。今回の届出においては有害物質による汚染の履歴がないことから、土壌調査の義務はございませんが、事業者が自主的に掘削残土の重金属類の調査を実施しております。
本市としては、現在までのところ、土壌の環境基準を超えていない旨の報告を受けており、環境への問題は生じないものと認識しております。
今後も引き続き、事業者が行う調査結果を確認するとともに、基準を超えることがあれば、土壌汚染対策法に基づき、適正に処理を行うように指導してまいります。
71 ◯上下水道局長(服部憲文君) 中部電力安倍川水力発電所の建設工事による水道水の水質への影響についてですが、安倍川水系の水源は、川底から5メートルから10メートル下を流れる伏流水や、それ以上の深さにある地下水を利用しているため、建設工事により表流水に濁りが生じたとしても、水道水の水質への影響はないものと考えております。
〔市川 正君登壇〕
72 ◯市川 正君 質問の2回目です。
静岡市は、市域に位置する安倍川や藁科川源流域、さらに興津川源流域など、静岡市の貴重な水源域としての山間地域が大変多い地域です。水源域の保全は、市民の命と暮らしを守る本市が担うべき重要な事業であります。こうした山間地域で、特に水源保全地域において、民間事業者等による開発行為、例えばゴルフ場建設や産廃施設、あるいはトンネルを含む道路建設やメガソーラー事業など、こうした開発計画があった場合に、水源域の水質保全、環境に与える負荷等について配慮した計画がなされ、必要な措置について市が確認、把握、指導し、市民の不安払拭に努めなければならないものと考えます。
こうした水源域の開発計画等があった場合の市の対応を伺います。水源域の開発に伴う水質保全について、市が所管する法令等においてどのような対応をしているのか伺って、2回目の質問といたします。
73 ◯環境局長(田嶋 太君) 水源域の開発に伴う水質保全について、市が所管する法令においてどのような対応をしているのかについてですが、本市は水質汚濁防止法に基づき、汚水処理などを行う特定施設を建設する事業者に対しては、施設からの排水の監視、指導を行っております。また、同法に基づき、安倍川などの主要河川に環境基準点を設け、水質の定期的な監視を行っております。あわせて、静岡市清流条例では、清流保全のための重点区域で2,000平方メートル以上の開発行為を行う者は、本市と清流の保全に関する協定を締結する旨の努力規定を設けています。
今後も関連法令に基づき水質の監視を行うとともに、事業者への指導を実施し、水源域の水質保全に努めてまいります。
〔市川 正君登壇〕
74 ◯市川 正君 3回目は、意見・要望を申し述べます。
答弁にもありましたが、市は水道水源として伏流水や地下水を利用しているので、重金属を含む汚染水の多くは安倍川の表流水として流下するということです。仮に表流水として流下したとしても、地中にしん出した物質は地下水脈に混入することになります。各地でたくさん環境問題はありますけれども、これらが表面化したときに、大きな社会問題となるわけです。積み重ねた知見により事前対策が図られるべきではないでしょうか。この知見、これは尾根を挟んだ反対側にあるんです。重ねての意見・要望になりますが、発生する掘削残土が要対策土であるならば……
75 ◯議長(望月俊明君) あと1分です。
76 ◯市川 正君(続) 水源域に盛土されることが問題であります。水源管理に責任を負う本市として、発電所工事で発生する掘削土の成分分析をしっかりと実施すること。そして、水道水源に重金属のしん出がないことを確認し、公表すべきとの意見を申し上げたいと思います。
また、葵区山間地に危険盛土が2か所あるというふうに今日の新聞報道でもされておりました。これらについては県が対応するとの報道がされております。静岡市としても、水源域におけるいろんな工事で市民の命を守る水源を汚さないように、静岡市としてもしっかりと監視し、確認をしていくことを求めて、質問を終わります。
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77 ◯議長(望月俊明君) 次に、内田隆典君。
〔内田隆典君登壇〕
78 ◯内田隆典君 通告しています3項目について質問します。
最初に、市長の政治姿勢ということで、田辺市長の任期もあと半年となりましたけれども、この間の田辺市長の行政運営について伺いたいと思いますし、市長がどのような形で市民の声を反映したのかという点について伺いたいと思います。
この間の田辺市長の行政運営は、市民の声を十分聴くという上で、十分聴いてきたのか。極めて不十分だと私は考えております。中でも、この間、LNGの火力発電所計画や津波浸水想定区域への清水庁舎の移転計画、併せて、桜ヶ丘病院の移転問題等々、市を二分するような形で議論されましたけれども、声を聴く上では十分じゃなかったと。極めつけは清水庁舎の移転問題ですけれども、これは住民投票というような状況が生まれました。署名は地方自治法で定める必要数の4倍を超え、5万3,000名分が集まりましたけれども、田辺市長は議会に提案した議案に対し、住民投票は必要ないと明記いたしました。
大規模事業に対する事業決定に当たり、市長は市民の声をどのように反映してきたと考えているのか、まず1点伺いたいと思います。
次に、安倍元総理の国葬問題について伺いたいと思います。
岸田総理は何ら根拠のない国葬を国会に諮ることなく閣議決定し、今月の27日に強行するということを聞きました。市長はこの問題について、公費を支出せず、私人の立場で参列するということを記者会見で言われておりましたけれども、これも不思議な話でありまして、私人であれば当然、参加を求められないじゃないかと私は思います。市長は当日、半旗の掲揚等を実施するのかどうか、伺いたいと思います。あわせて、国葬儀の実施について、どのように受け止めているのか。
次に、平和行政について伺いたいと思います。
2月24日、ロシアのウクライナ侵略行為以降、国内でも防衛費を増やせ増やせの大合唱が行われています。国は現在、防衛費、GNPの1%を5年以内に倍化させようという動きがあるわけでありますけれども、この間、岸田総理大臣は、NPTの再検討会議、広島・長崎の原爆の記念式典への参加がありましたけれども、核兵器禁止条約については全く触れることなく、無視してきました。
田辺市長も、この問題では繰り返し私どもの質問に対し、核兵器禁止条約についての参加について、これは国の専管事項ということで、明確に答弁をしようとしません。しかし、同じ首長でもこの問題についてきちんと答弁している市長もいるわけで、田辺市長の姿勢が問われているわけであり、改めてこの件について、どのような見解を持たれているのか、伺いたいと思います。
次に、清水みなと祭りについて2点伺います。
第73回清水みなと祭りが3年ぶりに開催されました。しかし問題は、このみなと祭りに自衛隊の参加がありまして、参加状況はどうだったのかが1点。
2点目は、平和な祭りに私は自衛隊の参加はふさわしくないと思っています。私は見直しを図るべきではないかと思いますが、見解について伺いたいと思います。
3項目は、高齢者・低所得者対策についてであります。
円安による物価高騰、ロシアのウクライナ侵略などで電気、石油製品、食料品等20%前後の値上げが進んでいます。政府も静岡市も生活困窮者や住民税非課税世帯への支援を進めておりますが、極めて不十分だと私は考えております。1点に絞って伺いたいと思います。高齢者・低所得者に対するエアコン設置に対する助成を静岡市で検討できないかということであります。
東京23区において、熱中症に関連し調査が行われたそうであります。7月末の段階で、屋内の熱中症死亡が97人、そのうち、エアコン未設置が23人、エアコンがあるのに未使用が60人、使用は3人で、エアコンを使っているかどうか分からない11人を除くと、死亡者の97%がエアコンを使っていなかったという結果が出たそうであります。そういう点では、高齢者、所得が厳しい人たちにエアコンを設置するということを静岡市は独自施策として検討する必要があると思いますけれども、当局の考え方について伺います。
1回目です。
79 ◯企画局長(松浦高之君) 大規模事業の事業決定に当たっての市民の声の反映についてですが、大規模事業については、その基本構想や基本計画案を策定する過程において、パブリックコメントなどの市民参画手続を実施し、市民の皆さんの御意見を計画案に反映し、確定しております。したがって、各事業には市民の皆さんの御意見を適切に反映していると考えております。
80 ◯総務局長(渡辺裕一君) 国葬儀と平和行政に関する3点の御質問にお答えいたします。
まず、国葬儀当日に半旗の掲揚等を実施する考えがあるかについてですが、現時点では未定です。
次に、国葬儀の実施についてどのように受け止めているかについてですが、国葬儀については国の行事であると認識しており、市は国葬儀の実施について言及する立場にはないと考えております。
最後に、核兵器禁止条約への参加についてどのように考えるかについてですが、条約の批准等については国の専管事項であり、国政の場でしかるべき議論がなされるものと考えております。
81 ◯観光交流文化局長(望月哲也君) 清水みなと祭りに関し、2点の御質問にお答えします。
まず、清水みなと祭りへの自衛隊の参加状況についてですが、3年ぶりに開催されました第73回清水みなと祭りは、8月5日から7日までの3日間、港かっぽれ総おどりや海上花火大会を中心に、清水区内のさつき通りや清水港日の出埠頭をメイン会場として、盛大に行われました。
自衛隊の参加状況につきましては、陸上自衛隊は装備品の展示、海上自衛隊は護衛艦の一般公開、航空自衛隊は清水港上空にて航空機の展示飛行がそれぞれ行われました。
次に、清水みなと祭りに自衛隊が参加することは見直すべきではないかについてですが、清水みなと祭りは、市民ボランティアで構成されている実行委員会が主催し、経済界や観光団体、自治会の皆さんと一体となり運営されています。自衛隊の参加は、市民の皆さんに災害時の対応や平和を考える場としてほしいとの願いから、実行委員会が自主的に計画しているものであり、本市としましては、その思いを尊重したいと考えております。
82 ◯保健福祉長寿局長(増田浩一君) エアコンを持たない生活困窮者に対しての支援についてですが、生活に困窮されている方は、静岡県社会福祉協議会が実施している生活福祉資金の貸付制度を利用して、エアコンを購入・設置することができます。この貸付けは、生活保護を受給中の方や連帯保証人がいる方は、無利子で利用することができます。このほか、高齢者、障害のある方、子供など熱中症予防が特に必要とされる方のいる世帯が新たに生活保護を受給する場合は、一時扶助の申請によりエアコンを購入することができます。したがいまして、現在のところ、独自施策等を検討することは考えておりません。
〔内田隆典君登壇〕
83 ◯内田隆典君 まあ冷たい答弁でして、高齢者や所得が低い人への対策についてでありますけれども、これは全国いろんなところで助成制度が進められております。御存じだと思いますけれども、福島県喜多方市で65歳以上、上限3万7,000円、東京都足立区でもやはり上限7万円、新潟県魚沼市でも上限5万円、大阪府泉佐野市でも65歳以上と、大体、住民税非課税という形での助成をやられているわけでありますけれども、静岡市の消防局管内の資料を頂きましたけれども、熱中症の問題をちょっと調べてみました。昨年の統計ですと、5月から10月までの半年で搬送人数、合計で187人、うち、65歳以上が91人、搬送者のうち、住宅での発生が54人となっています。この統計から搬送者を見ますと65歳以上が半数を超えていると。そのうち半数以上は住宅での発生ということで、高齢者がこの暑さの中でかなり搬送されていると思うんですけれども、私は全国の例を若干紹介しましたけれども、今の答弁で、保健福祉長寿局長は社会福祉協議会の貸付けがあると。これは無利子ですけれども、貸付けなんですよ、貸付け。そうしますと、やっぱり低所得者は、貸付けですから返済しなければならないというのが当たり前のことで、これがなかなか大変な状況なんですよ。
それから、生活保護のことも出てくるんですけれども、生活保護だってこれはなかなか厳しい生活をしているわけで、単に低所得者がすぐ生活保護に回れといったって、そう簡単ではないと私は思うんですね。そういう点では、ぜひ、長寿局長ですからね、この低所得者対策を課で検討していただければありがたいなと思います。
それから、市長の政治姿勢について、基本構想や基本計画、パブコメ等で聞いたということで今答弁がありましたけれども、ここはもう当然、私は意見が分かれるところなんですね。不十分だから、諸問題で市を二分するようなことの問題が起きているという点では、私は不十分だと思っています。
それで、国葬問題ですけれども、半旗の掲揚等を実施する考えはないと。いまだに未定ということなんですけれども、それから、国がどういう形で言ってくるか、文科省はどういう形でこの問題に関わってくるか分かりませんけれども、国民の中で二分しているんですよ。それで、60%以上の方々は、これはうまくないぞと言っているわけですよ。だから、6割の方がなぜ駄目だと言っているのか、それはもう、憲法第14条の法の下の平等、第19条の思想の問題等々で駄目だと言っているんですよ。だから、そういう意向を反映して、市長も清々と、公費じゃなくて、私人として公費を使わずに、どうか分かりませんけれども、私はそうかなと思っているんです。そういう点では、きちんと私は未定じゃなくて法に沿った対応をすべきじゃないかと思っています。いろいろありますけれども、本人の評価が分かれているという、国民の中で二分しているわけです。私は、市長は参加を見合わせるべきだと思いますし、国葬儀というのはやっぱり諸問題、法律上も大きな問題を抱えているわけですから、市長はどう思っているか分かりませんけれども、国に対してこういうことは法に引っかかっているんですから、中止をという立場で申し入れるべきだと私は思っています。
それから、4次総の問題です。4次総は今、いろいろ検討されて進めていますけれども、市民の声を十分反映するという点では、タウンミーティング等の市民の声を直接聴く機会を持つべきだと思いますけれども、この点どうお考えなのか。
平和行政についてであります。国の専管事項と、すぐこれでもう片づけてしまうわけなんですけれども、国の専管事項と一般的にそう言っても、自治体は住民生活を守る立場から、国の政策の具体的な問題点を指摘し、その改善を求める権利と義務があり、国はそれを尊重しなければならないと。憲法第92条はこう規定しているわけですから、国の専管事項ということで一言で片づけられないということで、きちんと私は主張すべきだと思うんですね。
もう1つ気になったのは、自衛隊の参加です。局長は、自治会や実行委員会がいろいろやっているから、そこを尊重したいという答弁だったんです。分かります、実行委員会がやって、自治会も入ってやっているんですけれども、しかし、補助金を静岡市も出しているわけであって、やはり市民の平和な祭りにふさわしくないと私は思っているんです。やっぱりこう意見が出ているわけですから、市にも、教育委員会にも団体から申入れ等々もされています。毎回、毎回こういう問題が引き起こっていますから、私はこの辺は実行委員会任せでなくて、きちんと市の考え方も示す必要があると思います。
それから、質問ですけれども、平和行政を推進する問題で、予算を充実させ、広島・長崎に参加をしたらどうだということで何回も何回も質問してきました。近隣市はどうしているかと思い見てみますと、富士市も核兵器廃絶の平和都市宣言をやって、この宣言板を市内公共施設に20か所ぐらい配置するだとか、富士宮市はどうかと思いましたら、富士宮市には今年度、市の職員等3名、中学生18名を、広島市に派遣しているんですね。この間、ずっとこうやられているんです。それで、帰ってきたら当然、報告書や報告会もやっているんですけれども、やはりこれは大事な事業だと思うんですね。派遣したらどうだということに真正面から答えないんですが、私は、中学生とか高校生を広島・長崎に派遣して、そして成人前から平和教育に対してきちんと市としての姿勢を……
84 ◯議長(望月俊明君) あと1分です。
85 ◯内田隆典君(続) 新たな形でやる必要があるかと思いますけれども、その点について見解を伺います。
86 ◯総務局長(渡辺裕一君) 国葬儀と平和行政に関する2点の御質問にお答えいたします。
まず、国葬儀について、国へ中止を求めるべきではないかについてですが、国葬儀については国の行事であると認識しており、市は国葬儀の実施について言及する立場になく、市として中止を求める考えはございません。
次に、平和行政を推進していくために予算の充実を図る必要があるのではないかについてですが、本市が平成17年に決議した静岡市平和都市宣言に掲げられた恒久平和という大きな理念は、行政のあらゆる分野に関わるものと考えております。未来を担う子供たちに平和の大切さを伝える教育の分野はもとより、文化、スポーツ、国際交流などの様々な事業において必要な予算を措置し、平和の理念を持って事業を実施してまいります。
87 ◯企画局長(松浦高之君) 4次総を充実するためにも、市民の声を直接聴く機会をさらに設けるべきではないかについてですが、4次総の策定に当たっては、令和3年度からこれまで、市民の声を直接聞くVoice of しずおかや市長ミーティング室をはじめ、市民アンケート、2度にわたるパブリックコメントなどを通じ、市民の皆さんの御意見を伺ってまいりました。
現在は、令和4年8月に実施した2回目のパブリックコメント結果を受け、11月市議会定例会に向け基本構想、基本計画案の策定を鋭意進めているところでございます。
〔内田隆典君登壇〕
88 ◯内田隆典君 4次総について答弁があったんですけれども、11月議会に向けて基本構想や基本計画をやっていく、これはもう分かっているんです。私は、タウンミーティングを含めてやる必要があるというのは、この間、3月、8月にパブコメをやっているんですね。3月は約150件ですよ。8月は、その倍の300件ぐらい。倍になったのはなぜかというと、やっぱり丁寧に説明しているからだと思うんです。そういう点では、もう少し丁寧な説明をして、タウンミーティング等をやっていただきたいと思います。
それから、国葬と平和行政、国の問題だ国の問題だと言うんですけれども、国がやっていても、憲法に違反するようなことをやっているよね。やっぱり市長はきちんと言うし、核兵器の問題でも長崎市の市長は、きちんと発言しているんですね。だから、国が言っているからということで……。
89 ◯議長(望月俊明君) 以上で総括質問を終了いたします。
ただいま議題となっております認定第1号ほか52件は、既に配布した議案付託表のとおり、それぞれ所管の常任委員会に付託いたします。
この際、暫時休憩いたします。
午後3時53分休憩
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午後3時54分再開
90 ◯議長(望月俊明君) 休憩前に引き続き会議を開きます。
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日程第55 議案第147号 令和4年度静岡市一